【PT監修】認知症予防に脳トレは効果ある?理学療法士が患者さんから聞いた”続けている活動”を紹介

猫とリスがクロスワードや計算ドリルに取り組んでいるイラスト。認知症予防の脳トレを紹介する記事のアイキャッチ画像。 介護
理学療法士が患者さんから聞いた、続けられる脳トレ活動を紹介しています。
ケレン(現役理学療法士)
この記事を書いた人:ケレン(現役理学療法士)
病院で毎日、高齢の患者さんとご家族の「退院後の生活」に向き合っています。
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「脳トレをやれば、認知症を予防できますか?」

リハビリの現場でよくいただく質問です。答えは「続けられるかどうか次第」だと思っています。

この記事では、実際に患者さんから聞いた「続けている活動」と、理学療法士として感じるポイントをお伝えします。認知症の程度別にグッズも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

★ こんな方に読んでほしい記事です

  • 「認知症予防に何かさせたい」と考えているご家族
  • 親にグッズを贈りたいけど何がいいか迷っている方
  • 本人に続けられる活動を探している方
  • 認知症の進み具合に合わせたグッズを知りたい方

患者さんが実際に続けている活動

リハビリで関わっている患者さんに「何か日課にしていることはありますか?」と聞くと、次のような答えが返ってきます。

  • 毎朝、新聞を読む
  • 近所を散歩する
  • クロスワードパズルの雑誌を解く

どれも特別な道具がいらず、自分のペースで続けられるものばかりです。「続けているという事実」そのものが、脳への大切な刺激になっています。

散歩は「考えながら歩く」とより効果的

散歩はただ歩くだけでも体に良いのですが、脳への刺激を増やすには「考えながら歩く」ことがポイントです。

🚶 考えながら歩くヒント

  • 今日の服装を振り返る
  • 今日のご飯のメニューを考える
  • 道端の花の名前を思い出す
  • 景色を言葉にして声に出してみる

「言葉にする」という行為は、脳を活発に使います。一人で歩くときも、心の中で実況中継するような感覚で試してみてください。

📌 PTポイント

「何も考えずに歩く散歩」より「何かを意識しながら歩く散歩」のほうが脳への刺激は大きいとされています。家族が一緒に歩いて話しかけるだけでも、立派な脳トレになります。

クロスワードについて思うこと

クロスワードパズルは、取り組む難易度の調整が難しいと感じています。「簡単すぎてつまらない」「難しすぎて嫌になった」という声も聞きます。

それでも毎日雑誌を手に取って取り組んでいる患者さんは、本当に素晴らしいと思います。正解できるかどうかよりも、「取り組む習慣がある」こと自体が脳への刺激になっています。

認知症の程度別・おすすめグッズ

脳トレグッズは、認知症の進み具合によって選び方が変わります。本人に合ったものを選ぶことが、続けるための大前提です。

🧩 ①「最近、少し物忘れが増えたかな」という方

毎日少しずつ取り組める計算ドリルや脳トレワークがおすすめです。「少し頑張れば解ける」くらいの難易度のものを選ぶのがポイント。1日3分から始められるものが続けやすいです。

📖 ②「日常の中でつまずくことが増えてきた」という方

難しすぎず、でも退屈しない問題集がおすすめです。昭和・平成の思い出をテーマにしたクイズ形式のものは、「懐かしい!」という感情が湧きやすく、取り組みやすいと臨床でも感じています。知っている内容だから自信を持って取り組めるのが良い点です。

🎨 ③「日々のサポートが必要になってきた」という方

塗り絵や折り紙など、昔からなじみのある活動がおすすめです。「難しいことを頑張らせる」より、「なじみがあって分かりやすいもの」を選ぶことが大切です。達成感を感じやすく、穏やかな時間を過ごせます。

塗り絵は野菜・花・風景など身近なテーマのものが取り組みやすいです。折り紙は小さすぎると難しいので、17〜18cm以上の大判がおすすめです。

グッズ選びで一番大事なこと

どんなに評判の良いグッズでも、続けられなければ意味がありません。

「続けられるかどうか」が一番大事です。

そのためには、本人のこれまでの生活を参考にすることが重要です。

  • 若い頃から読書が好きだった方 → 言葉系の問題
  • 数字が得意だった方 → 計算ドリル
  • 手を動かすことが好きな方 → 折り紙や塗り絵

📌 PTポイント

「これなら自分でもできそう」と感じてもらえるものが最良のグッズです。本人の表情や反応を見ながら、合わなければ迷わず変えてOKです。

ご家族へのメッセージ

グッズ以上に大切なことがあります。

  • コミュニケーションの機会をつくる:話しかける、一緒に過ごす時間を意識的に設ける
  • 社会参加を続ける:デイサービスや地域のつながりを活用する
  • 小さな目標をつくる:「毎日脳トレをする」「散歩を続ける」など、達成感が生まれるものを
  • 子どもや若い世代との交流:近所の子どもたち、デイサービスのスタッフ、ボランティアの学生など、年齢の違う人と話すだけでも脳への刺激になります

脳トレは「やること」が目的ではなく、その人の毎日を少し豊かにするための手段です。無理なく、楽しく続けられるものを一緒に探してみてください。

まとめ

  • 患者さんが続けているのは「新聞・散歩・クロスワード」など身近な活動
  • 散歩は「考えながら歩く」と脳への刺激が増える
  • グッズは認知症の程度に合わせて選ぶ
  • 何より「続けられるかどうか」が最重要
  • 本人のこれまでの生活・好みをヒントにする
  • 家族のコミュニケーションや社会参加も大切

PTからひとこと

「何をやらせたらいいかわからなくて…」と悩んでいるご家族をたくさん見てきました。正解を探しすぎなくて大丈夫です。本人が「楽しい」「またやりたい」と思えるものに出会えたら、それが一番の脳トレです。

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