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📅 2026年8月公開
「座っていると、だんだん腰が重く、痛くなってくる」——リハビリ室でよく聞く訴えです。デスクワークの方に多いのですが、入院中の高齢の方からも「同じ姿勢はきついね」という声をよく聞きます。年齢を問わず、座り続けることは腰にとって負担になりやすいんです。
この記事では、現役の理学療法士が、腰が痛い時の座り方の基本と、床・ソファ・椅子それぞれとの付き合い方、座ったままできるストレッチまでまとめました。
先に結論をお伝えすると、大事なのは「正しい座り方をずっとキープすること」ではなく、良い座り方を知ったうえで、同じ姿勢を続けないことです。

基本の座り方|「骨盤を立てる」と「足の裏を床につける」
ポイントは2つだけです。
- 骨盤を立てる——お尻の下にある左右のとがった骨(座骨)に体重が乗るように座る
- 足の裏をしっかり床につける——足でも体重を受けると、腰への負担が分散します
逆に腰がつらくなりやすいのは、骨盤が後ろに倒れて背中が丸まった座り方です。浅く腰かけて背もたれに寄りかかる、いわゆる「ずっこけ座り」ですね。楽に感じるのですが、長く続くと腰に負担がたまりやすい姿勢です。

座り方よりも大事なこと|同じ姿勢を続けない
実のところ、どんなに良い座り方でも、続ければ腰はつらくなります。私がリハビリの現場で一番伝えているのは、座り方そのものよりも「こまめに姿勢を変えること」です。
- 時々、大きく背伸びをする
- 席を立つ用事を作る(飲み物を入れる、トイレに行くなど)
- 体を横に倒す・肩を回す(後半のストレッチでご紹介します)
入院中の高齢の方も、デスクワークの方も、「同じ姿勢はきつい」という訴えは共通です。体は年齢を問わず、動かすことを求めている——くらいに考えてもらえたらと思います。
床に座るのは悪くない|あぐらでもOK
「床に座る生活は腰に悪いですか?」と聞かれることがありますが、私は、床に座ること自体が悪いとは考えていません。実は私自身、自宅では床に座り込んで、パソコンもあぐらで使っています。
コツは椅子と同じで、時々大きく伸びをすること。あぐらは骨盤が後ろに倒れやすい座り方なので、背中が丸まってきたなと感じたら、一度伸びをして座り直してみてください。
ひとつ白状すると、私は日中よく動く仕事なので、多少あぐらを続けても平気という面はあります。座り仕事の方が床で過ごす場合は、その分こまめな立ち上がりを意識してもらえると安心です。床からの立ち上がりは、それ自体がちょっとした運動にもなりますよ。
深く沈み込むソファとの付き合い方
少し悩ましいのが、体が深く沈み込むタイプのソファです。これは相性があって、好きでくつろげる方もいれば、座っているうちに腰が痛くなってくる方もいます。
深く沈むと骨盤が後ろに倒れて、先ほどの「背中が丸まった姿勢」に近づきます。また、沈んだ分だけ立ち上がりにも力が必要です。腰が痛い時期に限っては、座る時間を短めにするのがおすすめです。
とはいえ、あの気持ちよさが一日の休息になっている方もいますよね。手放す必要はなくて、ソファの時間は「くつろぎ」と割り切り、それ以外の時間でこまめに動いて体を整える——というバランスの取り方でよいと思います。

座ったままできるストレッチ5つ
デスクの合間や、テレビを見ながらできるものを5つご紹介します。回数は目安なので、気持ちよく感じる範囲で行ってください。
- 背筋を伸ばして骨盤を立てる——頭のてっぺんが天井から引っぱられるイメージで、ゆっくり背筋を伸ばす。3回
- 体を横に倒す——片手を上げて、体をゆっくり真横に倒す。左右3回ずつ
- もも裏(ハムストリングス)を伸ばす——浅く座って片脚を前に伸ばし、つま先を上げて、背筋を伸ばしたまま体を少し前に倒す。左右じっくり
- 肩を回す——肘で大きな円を描くように、前から後ろへゆっくり回す
- 首のストレッチ——首をゆっくり横に倒す。反動はつけずに
痛みが出る動きは中止してください。特に、前かがみになると痛みが強くなる方は、もも裏のストレッチを無理に行わないでくださいね。

腰を楽にするグッズ|「なぜ楽になるか」から理学療法士が解説
グッズは「人気だから」ではなく、なぜ自分の体が楽になるのかで選ぶと失敗が減ります。理学療法士の視点で、正直に書きます。
クッション|「骨盤を立てる」を手伝ってくれる
座り方の章でお伝えした「骨盤を立てる」を、道具の形で助けてくれるのがクッションです。ただし、柔らかすぎてお尻が沈み込むものは逆効果になることもあり、選び方にはコツがあります。
✅ 楽になる理由:お尻の角度が整い、骨盤が立った姿勢を道具が支えてくれる。意識し続けなくても「丸まった座り方」に戻りにくくなります
⚠ 向かない・注意:柔らかすぎてお尻が沈むものは、逆に骨盤が倒れてしまうことも
選び方のポイントと、実際におすすめできるものは、別の記事に詳しくまとめています。
📎 腰痛クッションおすすめ3選|「効果ない」を防ぐ選び方を理学療法士が解説
フットレスト(足置き台)|「足の裏をつける」環境をつくる
椅子が高めで足の裏が床にしっかりつかない方や、小柄な方に向いています。足でも体重を受けられるようになると、腰への負担が分散します。デスクの下に置くだけなので、姿勢を意識し続けるのが苦手な方でも効果を得やすい道具です。
✅ 楽になる理由:足の裏でも体重を受けられるようになり、腰とお尻に集中していた負担が分散する。膝の角度が整い、骨盤も立ちやすくなります
⚠ 向かない・注意:足の裏が床にしっかり届いている方には、効果は控えめです
タイプは大きく2つあります。柔らかいところに足を置きたい方はクッションタイプ、足をぶらぶら動かしたい方は台タイプ——という好みで選んで大丈夫です。
クッションタイプ——沈み込みすぎない硬めで、カバーを外して洗えるのも良いところです。価格は2,400円前後です(2026年8月時点)。
台タイプ——デスクの下に置くタイプで、足を乗せたまま位置を変えやすいのが特徴です。価格は1,900円前後です(2026年8月時点)。
マッサージ道具|まずは代用品で効果を確認
マッサージ道具は、はじめから買わなくて大丈夫です。買ってみたものの続かないと、置き場所に困る「邪魔なもの」になってしまいがちだからです。
まずは、テニスボールや丸めたタオルを、壁や椅子の背もたれと腰の間に挟んで、押し当ててみてください。これだけで十分気持ちよくほぐせます。効果を実感できて、毎日続きそうなら、専用の道具を検討する——という順番がおすすめです。
✅ 楽になる理由:こわばった筋肉に圧を当てて、ゆるめる。専用品でも代用品でも、やっていることは同じです
⚠ 向かない・注意:押して強い痛みが出る場所には行わない。骨ではなく、筋肉に当てるのがコツ
骨盤ベルト・コルセット|使い所が大事な道具
動く時の支えとしては役立ちますが、「つけっぱなし」には注意したい道具です。付ける位置や使う場面にコツがあるので、購入前に、担当の理学療法士や取り扱いのあるお店で確認してみてください。選び方と使う時の注意点は、別の記事に詳しくまとめています。
📎 反り腰におすすめのベルト5選|現役理学療法士が選び方から効果まで徹底解説
✅ 楽になる理由:お腹まわりを外から支えて、動く時の腰の安心感が増す
⚠ 向かない・注意:つけっぱなしは、自分の筋肉がさぼる原因になることも。使う場面を絞るのがコツ
病院に行くタイミング
次のような場合は、座り方の工夫よりも先に受診をおすすめします。
- 脚のしびれを伴う
- 安静にしていても痛む
- 痛みがだんだん強くなってきている
🚑 すぐに受診してほしい場合
おしっこや便が出にくい・漏れる、脚に急に力が入らない——このような症状がある時は、様子を見ずに今すぐ受診してください。
そしてもうひとつ、現場からの目安をお伝えします。「生活の中でどうしても避けられない動作」や「これからも続けたいこと」でいつも痛むなら、受診してよいタイミングだと思います。
忙しいと「そのうち治るかな」と後回しになりがちですが、避けられない動作の痛みは、毎日の生活の質にそのまま響きます。続くようなら、整形外科で相談してみてください。
まとめ|良い座り方を知って、こまめに動く
- 座り方の基本は「骨盤を立てる」「足の裏を床につける」の2つ
- それ以上に大事なのは、同じ姿勢を続けないこと
- 床座り・あぐらは悪くない。時々大きく伸びを
- 深く沈むソファは相性次第。くつろぎと割り切って、他の時間で動く
- グッズは「なぜ楽になるか」で選ぶ
- しびれ・安静時の痛み・避けられない動作の痛みは、受診してよい
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