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📅 2026年7月更新:悩み別に選べる形にリニューアルし、よくある質問を追加しました。
「玄関の上がり框(かまち)が高くて、上がれない。靴箱につかまって、なんとか上がっている」
理学療法士として患者さんやご家族から玄関の話を伺うと、こうした「靴箱が命綱になっている」場面が本当によく出てきます。
玄関は毎日必ず通る場所でありながら、段差・靴の着脱・暗さという3つのリスクが重なる、家の中でも特に転倒が起きやすい場所です。
この記事では、「上がり框が高い」「靴を履くときにふらつく」といった悩み別に、玄関の転倒防止グッズを5つ紹介します。工事不要・置くだけで使えるものを中心に選んでいるので、賃貸の家でも今日から対策できます。
悩み別の早見表|まずはここから
親御さんの玄関の悩みに近いものから読んでみてください。
🔎 悩み別・玄関グッズ早見表
| 玄関の悩み | 合うグッズ |
|---|---|
| つかまる場所がなく、靴箱につかまっている | ① 置き型手すり |
| 立ったまま靴を履いてふらつく | ② 手すり付きベンチ |
| 上がり框が高くて上がれない | ③ 踏み台(+手すり) |
| 夜、玄関が暗くて足元が見えない | ④ センサーライト |
| 段差そのものをなくしたい | ⑤ スロープの前に確認したいこと |
なぜ玄関は転倒が起きやすいのか
理学療法士として多くの患者さんの「退院後の玄関」の相談を受けてきましたが、玄関には転倒につながる要因が重なっています。
玄関の3大リスク
- 段差(上がり框):日本の住宅の上がり框は10〜25cm程度。足を大きく上げる動作はバランスを崩しやすい
- 靴の着脱動作:立ちながら靴を履こうとすると、片足立ちになる瞬間が生まれる。この瞬間が最も危険
- 暗さ:玄関は窓が少なく暗くなりがち。特に夜間の帰宅・外出時に足元が見えにくい
そして冒頭の方のように、この段差を「靴箱につかまって」しのいでいる方がとても多いのです。ここからは、悩み別に対策を順番に見ていきます。

悩み別|PTが選ぶ玄関の転倒防止グッズ5選
悩み①「つかまる場所がない」→ 置き型手すり
玄関の安全対策で、最初に検討してほしいのがこれです。
「玄関で親が危なかった」という話を伺うと、ほぼ必ずと言っていいほど「つかまるものがなかった」というケースです。
🩺 PTひとこと
靴箱につかまるのは、何もつかまらないよりはましです。ただ、靴箱は転倒防止用に設計されていません。固定されていないことも多く、体重をかけると傾いたり、つるつるした表面で手が滑ったりすることがあります。手すりに変えるだけで、玄関の安全性は大きく変わります。
こちらの「楽々健」の置き型手すりは福祉用具専門相談員が開発監修に関わっており、上がり框専用の設計になっています。高さが4段階(79・81・83・85cm)で調整できるため、親御さんの身長に合わせられるのもポイントです。天然木を使ったデザインで、玄関に置いても違和感がありません。価格は2万5,000円前後です(2026年7月時点)。介護保険のレンタルとの比較は、後半のよくある質問で解説しています。
悩み②「立ったまま靴を履いてふらつく」→ 手すり付きベンチ
「座って靴を履く」環境をつくることが、転倒予防の基本です。
理学療法士として患者さんに必ず伝えることのひとつが、「立ちながら靴を履かないこと」です。
🩺 PTひとこと
立ったまま靴を履こうとすると、必ず片足立ちになる瞬間が生まれます。この瞬間が最も転倒しやすい。さらに踵がしっかり入らないまま歩き出すと、その後つまずく原因にもなります。座って履く→踵まで入れる→立ち上がるという順番が安全です。
あわせて履きやすい靴の選び方も見直すと、玄関まわりの安全がさらに高まります。
この腰掛けベンチは手すり付きで立ち上がりをサポートしてくれる点が気に入っています。さらにシューズラックとしての収納スペースがあるため、玄関に置いても邪魔になりにくく実用的です。価格は5,500円前後です(2026年7月時点)。
🩺 選ぶときのポイント
- 耐荷重を必ず確認する:立ち座りのたびに体重を勢いよく預ける物なので、購入前に商品ページの耐荷重表示をチェックしてください
- 座面の高さは40cm前後が目安:低すぎるベンチは、座れても立ち上がるのが大変になります。膝が直角より少し伸びるくらいの高さが立ち座りしやすいです
悩み③「上がり框が高くて上がれない」→ 踏み台
冒頭で紹介した「靴箱につかまって、なんとか上がっている」という方の悩みが、まさにこれでした。体力が落ちてくると、20cm前後の段差でも「よいしょ」と勢いをつける必要が出てきて、その瞬間にバランスを崩しやすくなります。
私自身、祖母が実家に遊びに来た際に上がり框が高くて困り、踏み台を用意した経験があります。踏み台を挟んで段差を2段階に分けると、足を大きく持ち上げる必要がなくなり、動作がぐっと安全になります。できれば悩み①の手すりとセットで使うのがおすすめです。価格は1万円前後、耐荷重は80kgです(2026年7月時点)。
🩺 選ぶときのポイント
- 幅は広めを選ぶ:幅が広いほど足を乗せやすく、バランスを取りやすい。この商品は幅60cmあり安心感があります
- 高さは上がり框の半分程度が目安:この商品は高さ14cm。15〜25cm程度の框に特に使いやすいサイズ感です
- 踏み台自体がずれないか確認する:床材によっては滑ることがあるため、裏面の滑り止めや設置後のガタつきを確認してから使いましょう
悩み④「夜、玄関が暗くて足元が見えない」→ センサーライト
夜間の帰宅・早朝の外出時、玄関が暗くて足元が見えないことが転倒のきっかけになります。
高齢になると暗いところで目が慣れるまでの時間が長くなり、明暗の差に対応しにくくなります。コンセントに差し込むだけで使えるセンサーライトは、電池不要・取り付け簡単で、費用対効果の高い対策のひとつです。価格は4,700円前後。停電時に自動点灯する非常灯機能もついています(2026年7月時点)。
🩺 PTひとこと
「明るければ転ばない」とは言い切れませんが、暗さは確実にリスクを上げます。コンセント式なら電池切れの心配もなく、人が通ったときだけ点灯するので電気代もほぼかかりません。寝室・廊下の安全記事でも紹介しているアイテムです。
悩み⑤「段差そのものをなくしたい」→ スロープの前に確認したいこと
「段差があるからスロープを置きたい」という相談を受けることがあります。気持ちはよくわかるのですが、理学療法士として正直にお伝えすると、歩ける方の玄関の段差には、スロープより手すり+踏み台の方が安全で、対策しやすいことがほとんどです。
段差は、正しく使えばむしろ安全な動線になります。足をしっかり上げる練習にもなりますし、玄関の狭いスペースに置くスロープは勾配が急になりやすく、かえって滑りやすいこともあります。スロープへの改修は、車いすを使う場合など「段差を越えること自体が難しい」方の選択肢と考えるのがよいでしょう。
💡 スロープが必要になったら介護保険も確認を
- 要介護・要支援の認定を受けていれば、「住宅改修」として段差解消工事に最大20万円まで介護保険が使えます
- 自己負担は原則1〜3割(所得によって異なります)
- まずはケアマネジャーさん・地域包括支援センターに相談を。PTやOTが一緒に自宅を確認してくれることもあります

PTが見てきた「やってはいけないこと」
グッズを揃えることと同じくらい大切なのが、危険な習慣をなくすことです。

⚠️ 玄関で避けたい4つの習慣
- 靴箱につかまって昇り降りする:固定されていないことも多く、体重をかけると傾いたり手が滑ったりします。手すりへの切り替えを検討してみてください
- 立ったまま靴を履く:片足立ちになる瞬間が最も危険です。必ず腰掛けてから履く習慣を
- 玄関マットを敷く:マット自体がつまずきの原因になります。特に端がめくれたマットは危険なので、介護目的では外すことをおすすめします
- 玄関に物を置きすぎる:いざというときにつかまれる場所を確保しておくことが基本です。玄関はシンプルに保ちましょう
よくある質問(Q&A)
Q. 置き型手すりは賃貸でも使えますか?
A. 使えます。置き型手すりは床に置くだけで壁に穴を開けないため、賃貸でも原状回復の心配がほとんどありません。ただし、置いたときにガタつかないか、床材との相性(滑りにくさ)だけは最初に確認してください。壁に取り付けるタイプを付けたい場合は、大家さん・管理会社への確認が必要です。
Q. 介護保険のレンタルと自費購入、どちらが先ですか?
A. 親御さんが要介護・要支援の認定を受けている(またはこれから受けられそうな)場合は、先にケアマネジャーさんへ相談するのがおすすめです。置き型手すりは介護保険のレンタル対象で、月数百円程度で借りられることが多いからです。認定を受けていない場合や、すぐに必要な場合、デザインを選びたい場合は自費購入が向いています。くわしくは手すりの介護保険と自費購入の比較記事にまとめています。
Q. 上がり框が高い場合、踏み台とスロープはどちらがいいですか?
A. 歩ける方なら、基本は踏み台+手すりをおすすめしています。玄関の限られたスペースに置くスロープは勾配が急になりやすく、かえって滑りやすいことがあるからです。スロープが本当に活きるのは、車いすを使う場合など「段差を越えること自体が難しい」ケースです。その場合は介護保険の住宅改修も含めて、ケアマネジャーさんに相談してみてください。
Q. 置き型手すりは玄関の左右どちらに置けばいいですか?
A. 実は、私たち理学療法士も現場でよく迷うところです。基本は「本人が持ちやすいと感じた側」か「靴箱やドアなど家の配置に合わせて」で十分です。ひとつ注意点があるとすれば、上がるときと降りるときで左右が入れ替わること。実際に親御さんに昇り降りしてもらい、両方の動作で無理がないかを確かめてから位置を決めると失敗が少ないです。
まとめ|まずは「つかまる場所」と「座る場所」から
📌 玄関の安全対策|優先順位
- 手すりを設置する(靴箱につかまるのをやめる)
- 腰掛けベンチを置く(立ちながら靴を履かない)
- 踏み台を用意する(上がり框が高い場合)
- センサーライトをつける(暗さを解消する)
- 大きな段差はケアマネジャーさんに相談(介護保険の住宅改修も選択肢)
グッズを揃えることも大切ですが、「靴箱につかまらない」「座って靴を履く」という行動の変化がいちばんの転倒予防になります。ぜひ親御さんに伝えてあげてください。
なお、置き型手すりや手すり付きベンチは、敬老の日の「実用ギフト」としても選ばれています。「心配だから」より「プレゼント」として渡した方が、親御さんに受け入れてもらいやすいこともあります。贈り物として検討したい方は敬老の日の実用プレゼント特集もどうぞ。
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