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📅 2026年7月更新:よくある質問を追加し、グッズと「買い方」の提案を見直しました。
「うちの親、『別に暑くない』って言うんですが、大丈夫でしょうか?」
そんな相談を、ご家族の方からよく受けます。実はこの「暑くない」という言葉こそが、高齢者の熱中症で最も危険なサインです。
高齢になると暑さを感じにくくなるため、本人が気づかないまま熱中症が進行してしまいます。しかも高齢者の熱中症は自宅の室内で起きるケースが非常に多いのです。
この記事では、理学療法士として高齢の患者さんを担当してきた経験をもとに、「暑くない」と言う親御さんを熱中症から守る仕組みづくりとグッズを解説します。
📌 こんな方に読んでほしい記事です
- 高齢の親が夏に一人でいることが心配な方
- 「エアコンをつけない」「水を飲まない」親に困っている方
- 熱中症の初期サインを知っておきたい方
今日からできる対策の早見表
先に結論です。ポイントは「本人の感覚に頼らず、仕組みで守る」こと。
🔎 熱中症対策の早見表
| やること | 仕組みにするコツ |
|---|---|
| エアコンをつける | 感覚でなく温湿度計の数字で判断(室温28℃・湿度60%) |
| 水分をとる | 時間と量を決める(起床時・10時・昼…にコップ1杯) |
| つけっぱなしが嫌なら | 換気と合わせてメリハリよく使う |
| 塩分・経口補水液 | セット品よりスーパー・ドラッグストアで必要な分だけ |
高齢者が「暑くない」と言いながら熱中症になる理由
高齢者が気づかないうちに熱中症になってしまうのは、加齢による体の機能の変化が原因です。
① 暑さを感じにくく、気づきにくい
加齢とともに体温調節機能が低下し、暑さを感じにくくなります。さらに汗をかきにくく・喉が渇きにくくなるため、体が危険な状態になっていても本人が「別に暑くない」と感じてしまいます。
「気づいたときには重症化していた」というのが、高齢者の熱中症の典型的なパターンです。
② トイレが心配で水分を控える
「水を飲むとトイレが近くなる」という理由で、意識的に水分補給を控える高齢者は少なくありません。特に夜間のトイレが心配な方にこの傾向が見られます。
水分不足は熱中症のリスクを大きく高めるうえ、脱水は夜間の転倒リスクも上げます(くわしくは夜間転倒の対策記事へ)。「のどが渇いていなくても、こまめに飲む」習慣が大切です。
③ エアコンを使わない・そもそもない
「もったいない」「体に悪い」という理由でエアコンをつけない方は多くいます。また、古い家屋ではそもそもエアコンが設置されていないケースも稀にあります。
室温が28℃を超えると熱中症のリスクが高まりますが、本人が「暑い」と感じていないために気づけないことがあります。
こんな症状が出たら要注意
🌡️ 熱中症の初期〜中期サイン
- めまい・立ちくらみ・ふらつき
- 顔が赤い・皮膚が熱い
- 体がだるい・力が入らない
- 頭痛・吐き気
- 呼びかけへの反応が鈍い・ぼんやりしている
- 汗が出ていない(または大量に出ている)
意識がおかしい・呼びかけに反応しない場合は、すぐに救急(119)へ連絡してください。
PTが教える予防のポイント|体力づくりも大切
🩺 体力があると熱中症になりにくい
理学療法士として伝えたいのは、熱中症対策は「グッズを揃えるだけ」では不十分だということです。体力・筋力がある人ほど体温調節機能が保たれやすく、熱中症になりにくいという関係があります。今からでも遅くありません。涼しい時間帯の散歩・ストレッチ・軽い体操など、無理のない範囲で体を動かす習慣が、最も根本的な熱中症予防になります。少しずつ暑さに体を慣らす「暑熱順化」にもつながります。
熱中症対策グッズ4選+薬局で買うもの【PTが選ぶ】
グッズでできる対策を、優先順位が高い順に紹介します。
① エアコン(最優先)
熱中症対策で最も効果が高いのはエアコンです。「もったいない」と感じる気持ちはわかりますが、熱中症による救急搬送・入院の医療費を考えると、電気代の方がはるかに安いです。
温湿度計を見て、室温28℃・湿度60%を超えたら迷わずエアコンをつけることを習慣にしてください。湿度が高いと汗が蒸発できず、同じ室温でも危険度が上がります。就寝時も切らずに、タイマーを使いながら使用することをおすすめします。
🩺 PTのひとこと
- 「室温28℃」はエアコンの設定温度ではありません(環境省の熱中症マニュアルでも注意喚起されています)。温湿度計を見ながら、室温が28℃を下回るまで設定温度を下げてください。古い家では「設定28℃なのに室温30℃」ということが普通にあります
- 冷風が直接当たらないよう風向きを調整する
- エアコンがない部屋で過ごしている場合は、まず設置を検討してください
② 扇風機(エアコンと併用で効果アップ)
エアコンと扇風機を併用することで、室内の空気が循環し、より効率よく冷やすことができます。エアコンの設定温度を上げながらも体感温度を下げられるため、節電にもなります。
🩺 PTのひとこと
- 扇風機は体に直接当て続けず、部屋全体の空気を循環させるよう向ける
- DCモータータイプは静音・省エネで、就寝時にも使いやすい
- リモコン付きなら離れた場所から操作できて高齢者にも使いやすい
価格は6,000円前後です(2026年7月時点)。
③ デジタル温湿度計|「感覚」を「数字」に変える
「暑さを感じにくい」高齢者にとって、室温・湿度を数値で確認できる温湿度計は欠かせないアイテムです。本人の感覚ではなく、数値でエアコンをつけるタイミングを判断できるようになります。
🩺 PTのひとこと
- 「室温28℃・湿度60%を超えたらエアコンON」のルールを、本人と一緒に決めておく
- 大きな表示で、置き時計としても使えるタイプが使いやすい。リビングと寝室の両方が理想
- 離れて暮らしている場合、「今日の室温何度だった?」が電話の確認ネタになる
価格は3,900円前後です(2026年7月時点)。
④ 冷感タオル
水に濡らして振るだけでひんやり冷たくなる冷感タオルは、すぐに使える手軽な暑さ対策です。首・手首・額など、太い血管が近い部位を冷やすと体全体の体温が下がりやすくなります。
🩺 PTのひとこと
- 首・手首・脇の下・ひざの裏を冷やすと効果的
- 冷感タオルだけでは根本的な解決にならないので、エアコン・水分補給と組み合わせて使う
価格は3枚で1,800円前後です(2026年7月時点)。
⑤ 経口補水液・塩分タブレットは「薬局・スーパー」で
汗をかくと水分と一緒に塩分も失われるため、水だけでなく塩分・電解質の補給も大切です。
ここは正直にお伝えすると、ネットの「熱中症対策セット」をまとめ買いするより、スーパーやドラッグストアで必要な分だけ買うのがおすすめです。飲み慣れた味を選べますし、賞味期限の管理もしやすく、切らしたときにすぐ買い足せます。
🩺 PTのひとこと
- スポーツドリンクは糖分が多いので飲みすぎに注意。大量に汗をかいたときや食欲がないときは経口補水液が適しています
- 1日の目標水分量は1.5〜2L程度。食事の汁物・お茶なども含めてこまめに
- 心臓や腎臓の持病などで医師から水分制限を受けている方は、主治医の指示を優先してください
- 「のどが渇く前に飲む」を合言葉に、時間を決めて飲む習慣を
よくある質問(Q&A)
Q. 本人が「暑くない」と言い張ります。どう伝えればいいですか?
A. 感覚の言い合いにしないことがコツです。高齢になると暑さのセンサー自体が鈍るので、「暑いでしょ?」「暑くない」の押し問答は決着がつきません。温湿度計を置いて「28℃を超えたらつける」と数字のルールに変えると、本人のプライドを傷つけずに行動が変わりやすいです。
Q. エアコンのつけっぱなしに、親が抵抗があります
A. その気持ちはよくわかります。無理に「一日中つけて」と言うより、換気と合わせてメリハリよく使う提案がおすすめです。たとえば「朝の涼しいうちに窓を開けて換気→日中の暑い時間帯と寝るときはエアコン」のように、オンオフの時間を決めると受け入れてもらいやすくなります。
Q. 水分は、どうすれば飲んでもらえますか?
A. 「こまめに飲んでね」では動けない方が多いので、時間と量を決めるのが現場でも効く方法です。起床時・10時・昼食・15時・入浴前後・寝る前に「コップ1杯ずつ」など、生活の節目とセットにしてください。目標は食事の汁物も含めて1日1.5〜2L程度です(心臓や腎臓の持病で水分制限のある方は、主治医の指示を優先してください)。
Q. トイレが近くなるからと、水を控えてしまいます
A. 夏にいちばん心配な自己流対策です。脱水は熱中症だけでなく、血圧の変動を通じて夜間の転倒リスクも上げます。夜のトイレそのものが不安な場合は、夜間転倒の対策記事で紹介している方法(センサーライトなど)と組み合わせてみてください。夜中のトイレの回数が多い場合は、かかりつけ医への相談も選択肢です。
PTからひとこと|熱中症は「防げる」
以前担当した患者さんのことが、今でも頭に残っています。
ご家族が「最近ぼんやりしている」と気づいて病院に連れてきたところ、熱中症でそのまま入院になりました。後から聞くと、本人はずっと「別に暑くない」と言っていたそうです。
退院のとき、ご本人とご家族に対策をお伝えしました。温湿度計を置くこと、エアコンの使い方、水分補給のタイミング。「これをやっていれば防げたかもしれない」という思いで話しました。
熱中症は、適切な対策をすれば防ぐことができます。でも本人が「暑い」と感じないから、周りが気にかけるしかない。それがこの病気の一番難しいところです。
帰省のときや電話のたびに、「エアコンつけてる?」「今日水飲んだ?」と一言確認する習慣をつけてみてください。それだけで、リスクは大きく下がります。
📌 この記事のまとめ
- 「暑くない」は安心材料ではなく、一番危ないサイン
- 感覚に頼らず、温湿度計の数字(28℃・70%)で判断する仕組みに
- 水分は時間と量を決めて。トイレが心配でも控えない
- エアコンは換気と合わせてメリハリよく。電気代より命
- 経口補水液・塩分タブレットは薬局・スーパーで必要な分だけ
なお、温湿度計や扇風機は離れて暮らす親への「見守りギフト」としても選ばれています。贈り物として渡したい方は敬老の日の実用プレゼント特集もどうぞ。
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「うちの親の暑さ対策、何から始めれば?」——親御さんの体の状態や住まいによって、優先順位は変わります。お気軽にご相談ください。
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