「歩きすぎると痛くなりますねぇ」「靴があってないのかなぁ」——リハビリの現場で、足の裏やかかとの痛みは、こんな一言から始まることが多いです。
共通しているのは、よく歩く方ほど訴えが多いということ。家からあまり出ない方から足の裏の話を聞くことは、実はほとんどありません。つまり足の裏の痛みは、動けている人に出る痛みです。深刻になりすぎる必要はありませんが、放っておくと歩くこと自体がストレスになってしまいます。

(実は私も、ライブに行ったときにけっこう足の裏が痛くなったことがあります。理学療法士なのになー、と思いながら立っていました)

歩きすぎると、足の裏が痛くなるのよねぇ

それ、朝の一歩目もズキッとしませんか? 痛い場所が分かると、原因の見当がつきますよ
この記事の流れはシンプルです。

順番に見ていきましょう。
まず「どこが痛いか」で見当をつける
ご自分の痛みに近い場所を選んで、原因名を押すと説明に飛べます。
| どこが痛い? | 考えられる原因 |
|---|---|
| 足裏の真ん中・土踏まず 朝の一歩目がズキッ |
足底腱膜炎 ★いちばん多い原因 |
| かかとの真下 立った瞬間から痛い |
かかとの脂肪体 |
| かかとの後ろ 押すと痛い |
アキレス腱の付け根 |
| 指の付け根 ジンジン・しびれ |
モートン病 |
| 足裏ぜんたい しびれ・夜も痛い |
足根管症候群 |
| 一点だけ激痛 腫れがある |
疲労骨折かも |
しびれが強い場合や、ピンポイントの激痛・腫れがある場合は、セルフケアより先に整形外科への受診をおすすめします。
原因別の特徴
足底腱膜炎(いちばん多い)
足の裏・かかと・土踏まず、どの場所の痛みでも、もっとも多い原因が足底腱膜炎(そくていけんまくえん)です。足底筋膜炎と呼ばれることもあります。
足底腱膜は、かかとから足の指の付け根まで広がっている「足の裏の強い膜」で、土踏まずのアーチを支えて、歩くときの衝撃を吸収しています。歩きすぎ・立ち仕事・急な運動量の増加などで繰り返し負担がかかると、この膜に炎症が起きて痛みが出ます。
こんな症状が目印です
- 朝起きて最初の一歩が痛い
- 歩き始めが痛く、しばらく歩くと少し楽になる(でも歩きすぎるとまた痛い)
- 立ち仕事で悪化する

朝の一歩目だけ、かかとのあたりがズキッとするの

寝ている間に縮こまった足の裏の膜が、体重で急に伸ばされるからなんです
◆「朝の一歩目」が痛いのはなぜ?
寝ている間は、身体もお休みしています。前日の疲れや、足裏の筋肉の突っ張りが取れきらないまま朝を迎えると、縮こまった足底腱膜が体重で急に引き伸ばされて、ズキッとくる——これが「朝の一歩目」の正体です。足のアーチが崩れかけている方や、すでに炎症が起きている方は、特に出やすくなります。
かかとの脂肪体の痛み
かかとには、衝撃を吸収するための脂肪のクッションがあります。ここが弱ったり炎症を起こしたりすると、かかとに体重が乗った瞬間から痛みが出ます。足底腱膜炎と間違われやすいですが、足底腱膜炎は足裏の真ん中あたり、こちらはかかとの真下が痛むのが目印です。固い床で悪化しやすいです。
アキレス腱の付け根の炎症
足の裏というより「かかとの後ろ〜下」が痛い場合は、アキレス腱の付け根の炎症が考えられます。押すと痛い・階段で痛い・ふくらはぎが硬い、が目印です。
モートン病
足の指の付け根(特に中指〜薬指の間)がジンジン痛む・しびれる場合は、神経が圧迫されるモートン病が疑われます。つま先立ちで悪化しやすいのが特徴です。
足根管症候群
足首の内側には神経の通り道(足根管)があります。ここが圧迫されると、足裏のジンジンしたしびれ・夜間の痛み・指先までのしびれが出ます。しびれが主役の場合は、早めに受診しましょう。
疲労骨折(受診を)
運動量を急に増やした後などに、骨の同じ場所へ小さな負荷が繰り返しかかって、ひびが入ることがあります。「痛いところを一本指で指せる」ピンポイントの激痛や腫れがある場合は、無理をせず早めに整形外科へ。
また、どの原因にも関わるのが足のアーチの崩れ(扁平足)です。アーチが下がると足底腱膜への負担が増えます。ご自分の足を横から見て、土踏まずがつぶれていないか確認してみましょう。
足のアーチを自分でチェックする方法
「自分のアーチは大丈夫?」——見た目だけでは、意外と分かりません。そこで使うのがフットプリントです。足の裏のどこに体重がかかっているかを紙に写し取って、アーチの状態を確認する方法で、病院や靴の専門店でも使われています(私も臨床で使っています)。
土踏まずまでベッタリ写れば扁平足ぎみ、指の付け根とかかとだけならハイアーチぎみ、という具合に、自分の足のクセが一枚で見えます。
自宅で試してみたい方には、紙の上に立つだけで足型が取れるシートがあります。
💡 コツは一つだけ。踏み込むと濃く写ってしまうので、測らない足を先に横へ置いてから、まっすぐ立って、すっと降りる——この順番でやると、普段の体重のかかり方がきれいに写ります。
はじめにできる対処法|まず負担を減らす
どの原因でも、痛みが強い時期にまず大切なのは負担を減らすことです。
- 歩く量を一時的に減らす(ランニングなどは一旦中止)
- 長時間の立ちっぱなしを避ける
- 冷やす:炎症がある時期は、氷や保冷剤をタオルで包んで10〜15分。炎症の初期は「安静・冷やす・圧迫・挙上(RICE)」が基本です。温めるのは炎症が落ち着いてからにしましょう
つま先で歩いてごまかす方法は、別の場所を痛める原因になるのでおすすめできません。痛みは簡単には治りません。焦らず、負担を減らすところから始めましょう。
セルフケアで長い目で治していく
痛みが落ち着いてきたら、ストレッチと足の筋トレを少しずつ始めましょう。足の裏が痛い方は、ふくらはぎが硬いことがとても多いです。ふくらはぎはアキレス腱を通じてかかとにつながっているので、ここが硬いと足底への引っ張りが強くなります。
ストレッチ(毎日・夜がおすすめ)
① ふくらはぎ(表側)
- 壁に手をつく
- 痛い側の足を後ろに引く
- 膝を伸ばしたまま、かかとを床につける
- 30秒キープ(左右1〜2回)
② ふくらはぎの奥(ヒラメ筋)
- 壁に手をつき、痛い側の足を後ろに引く
- 後ろ足の膝を軽く曲げる
- かかとを床につけたまま体重を前へ
- 30秒キープ(左右1〜2回)
③ 足の裏を伸ばす
- 椅子に座って足を組む
- 片手で足の裏を持ち、もう片方の手で足の指をゆっくり反らす
- 足裏が伸びるのを感じたら20〜30秒キープ
朝起きた直後や、長く座った後に行うのも効果的です。気持ちよく伸びる範囲で行いましょう。
足の筋トレ(週3〜4回)
① タオルギャザー:床に広げたタオルを、足の指でたぐり寄せます(5〜10回)。はじめは難しいですが、やろうとすることが大切ですよ!
② ショートフット(アーチ作り):椅子に座り、指は曲げずに土踏まずを少し持ち上げて5秒キープ(片脚10回)。指をギュッと丸めないのがコツです。これも難しいですよ!
③ かかと上げ:壁に軽く手をつき、かかとをゆっくり上げて、ゆっくり下ろします(10回×2セット)。
靴とインソールを見直す|「気付くとずっと履いてるかも」

この靴、いつから履いてたかしら……

中敷きを出してみてください。かかとがペラペラになっていたら、交換の合図です
患者さんの靴を見せてもらうと、インソール(中敷き)がすり減っている方はとても多いです。靴の外側は無事でも、中敷きを出してみるとかかとの部分がペラペラ、ということがよくあります。
靴もインソールも、気付くとずっと履いてるかも、という方がほとんどです。インソールの耐用年数は、履く頻度にもよりますが長くても1年ほど。「靴があってないのかなぁ」の正体が、実は中身のすり減りだった、というケースは珍しくありません。
チェックポイントはこの3つです。
👞 靴とインソールのチェック3点
- 靴底(特にかかとの内側)が片減りしていないか
- 中敷きを出してみて、ペラペラ・型がついていないか
- その靴、いつから履いていますか?
靴ごと買い替えなくても、中身だけ入れ替える方法があります。土踏まずのアーチを支えるインソールを入れると、足底腱膜への負担を減らせることがあります。よく歩く方・立ち仕事の方には特におすすめです。価格は1,800円前後です(2026年8月時点)。
私が実際に仕事用の靴で使っている感想は、こちらの記事に正直にまとめています。

インソールの選び方を悩み別に整理したインソールの選び方ガイドもあります。また、高齢のご家族の靴選びについては、こちらの記事でくわしく解説しています。

受診の目安
以下にあてはまる場合は、セルフケアより先に整形外科へ相談しましょう。
⚠ こんなときは受診を
- 痛みが1〜2週間続いて、良くなる様子がない
- 腫れや熱感が強い
- しびれを伴う
- 体重をかけるのがつらい・歩くのが難しい
- 明らかなきっかけがある(怪我・事故など)
まとめ|足の裏の痛みは「動けている証拠」でもある
足の裏・かかと・土踏まずの痛みは、よく歩く方・動けている方に出やすい痛みです。人間は基本、歩いて生活しますから、足の裏が痛いと本当にストレスになります。かばって歩くと、別の場所が痛くなることもあります。
まずは負担を減らして、炎症があれば冷やす。落ち着いてきたら、ふくらはぎと足裏のストレッチ、足の筋トレ。そして靴とインソールのすり減りを一度確認してみてください。
痛みが引いても、足の裏は再発しやすい場所です。「痛くない時期」こそ、ストレッチと筋トレの継続が予防につながります。迷ったら医療機関へ。質問や「この場所が痛い」などあれば、お気軽にコメント・お問い合わせください。
お大事にしてくださいね!それではまた〜



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