高齢者の家の中はスリッパ?靴下?裸足?|理学療法士が病棟で答えていること

滑り止め付きの靴下を履いて手すりを持って歩く高齢の猫と、靴下の裏を見せて説明するリスの理学療法士 介護

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ケレン(現役理学療法士)
この記事を書いた人:ケレン(現役理学療法士)
病院で、高齢の患者さんとご家族の「退院後の生活」に向き合ってきた経験から書いています。
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📅 2026年10月公開

家族
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退院したら、家では何を履かせればいいですか?滑り止めの靴下は危ないとも聞くし、裸足がいいとも聞くし…。

ケレン
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病棟でもよく聞かれます。私がお伝えしているのは、基本は裸足、寒いときは靴下です。いちばん気をつけてほしいのは、夜のトイレです。

この記事の答え(先にまとめ)

  • 家の中の足元は、裸足が基本。滑りにくいので、私はおすすめしています
  • 寒くて裸足がつらい方は、靴下を。普通の靴下はうっかり滑ることがあるので、滑り止め付きを選ぶと安心です
  • 「滑り止め靴下が原因で転んだ」という話は、病棟ではほとんど聞きません。よく聞くのは、普通の靴下で滑った話です
  • スリッパは、歩きがしっかりするまではおすすめしていません
  • 室内履き(ルームシューズ)は、私たちから最初に勧めることはありません。使ってみたい方には、選択肢の一つです
  • いちばん気をつけてほしいのは、夜のトイレです

この記事では、退院が近づいたご家族から聞かれる「家の中の足元」について、病院の理学療法士として病棟でお伝えしていることをまとめます。

家の中は、基本は裸足|滑りにくいから

家の中で何を履けばいいか聞かれたら、私は基本的に裸足をおすすめしています。裸足は、床の上で滑りにくいからです。

ご家族の中には、「裸足がいいですよね。靴下やスリッパはやめようと思います」と、先に考えてくださっている方もいます。そんなときは、「寒くないなら、それでいいと思います」とお答えしています。

寒い方は、靴下を履かないと歩けない

ただ、裸足で過ごすと寒い、という方もいます。病棟でも、「寒いなら、靴下を履かないと歩けないですよね」という話になります。寒いのをがまんしてまで、裸足にこだわる必要はないと思います。

そのときに気をつけたいのが、靴下の「滑りやすさ」です。

靴下は「うっかり滑る」ことがある

病棟でよく聞くのは、靴下で滑ったという話です。とくに多いのが、夜のトイレに行くときです。

靴下を履くなら、足の裏に滑り止めが付いたものを選ぶと安心です。寝室の記事でも紹介している、履き口が締め付けにくい滑り止め靴下です。

価格は10足セットで5,100円前後、1足あたり500円ほどです(2026年10月時点)。楽天のリンク先は男性用(25〜27cm)です。

「滑り止め靴下は危ない」って本当?

インターネットで調べると、「滑り止め靴下は危ない」という記事も見かけます。床に引っかかって、つまずくことがある、という理由のようです。

ただ、病棟で働いていて、滑り止め靴下が原因で転んだ、という話はほとんど聞きません。入院中も、滑り止め靴下を履いて過ごしている方はいます。よく聞くのはむしろ、普通の靴下で滑った話です。

ただし、すり足気味の方(足が上がらず、床をこするように歩く方)は、滑り止めが床に引っかかる感覚がないか、最初に見てあげてください。

ひとつ知っておいてほしいのは、病棟での歩く練習は、靴を履いて行うということです。靴下で歩く練習はしません。家で靴下で歩くのは、ご本人にとっては入院中と違う環境です。退院してしばらくは、靴下で歩く様子を一度、そばで見てあげると安心です。

スリッパは「歩きがしっかりしてから」

スリッパは、あまりおすすめしていません。かかとがなく、脱げやすいからです。

私が担当するのは手術後の方が多いので、「もう少し歩きがしっかりしたら、使ってもいいかもしれません」とお話ししています。

もっとも、病棟で「スリッパを履きたい」とおっしゃる方は、あまり多くない印象です。

室内履き(ルームシューズ)はどう?

日本では、家の中で靴のようなものを履く習慣が、あまりありません。そのため、私たちから室内履きを最初に勧めることは、まずありません。

ただ、ご本人やご家族から「室内履きを使うのはどうですか?」と聞かれることはあります。使ってみたい方には、かかとがあって脱げにくいものなら、選択肢の一つになると思います。

介護用のルームシューズは高齢者の寝室を安全にするグッズ5選で、リハビリシューズと普通の靴の違いはリハビリシューズと普通のスニーカーどっち?で紹介しています。

いちばん気をつけてほしいのは「夜のトイレ」

足元の話で、ご家族にいちばん伝えたいのは、夜間の転倒に気をつけてほしいということです。

夜中に目が覚めて、トイレに向かう。部屋は暗く、足元はよく見えない。そんなときに、靴下でうっかり滑ってしまう方もいます。

足元だけでなく、トイレまでの明かりや、床に置いた物の片付けも、一緒に見直してみてください。くわしくは高齢者の夜間転倒を防ぐ5つの対策にまとめています。

よくある質問

Q. 滑り止め靴下は危ないですか?

A.病棟では、滑り止め靴下が原因で転んだという話は、ほとんど聞きません。よく聞くのは、普通の靴下で滑った話です。寒くて靴下を履くなら、滑り止め付きのほうが安心です。

Q. 退院したら、家用に室内履きを買ったほうがいいですか?

A.必ずしも必要ではありません。私たちから最初に勧めることはなく、基本は裸足、寒ければ靴下です。ご本人が使ってみたいなら、かかとがあって脱げにくいものを選んでください。

Q. スリッパは、いつから使っていいですか?

A.歩きがしっかりしてからがよいと思います。手術後などで歩きが不安定なうちは、脱げやすいスリッパは控えてください。迷ったら、入院中のリハビリの担当者に聞いてみてください。

まとめ|家の中は「裸足が基本、寒ければ滑り止め付きの靴下」

  • 裸足は滑りにくいので、基本はおすすめ
  • 寒い方は靴下を。普通の靴下はうっかり滑ることがあるので、滑り止め付きを
  • 滑り止め靴下が原因の転倒は、病棟ではほとんど聞かない
  • スリッパは、歩きがしっかりしてから
  • 室内履きは、使ってみたい方の選択肢の一つ
  • いちばん気をつけたいのは夜のトイレ

入院中にご家族ができることは親の入院リハビリ、家族は何をすれば?、外で履く靴の選び方は高齢者の靴のおすすめ6選にまとめています。

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