📅 2026年9月公開

デイサービスを勧めても、「そんなものはいらない。運動は家でもできる」の一点張りで…。どう話せばいいのか分かりません。

そうおっしゃる方は多いです。でも実は、「リハビリ」と言われれば行く、という方もとても多いんです。伝え方と、周りの頼り方を一緒に考えましょう。
この記事の答え(先にまとめ)
- よく聞く言葉は「家で過ごしたい」「そんなものはいらない」「運動は家でもできる」。背景に「施設に入れられる」という受け止め方があることも
- 「リハビリ」と言われれば行く方は、実はとても多いです。「リハビリをするための施設」と、目的から伝えてみてください
- 家族より、専門職から伝えると届くこともあります。退院後の相談役はケアマネジャーです
- 見学は、家族の「よさそう」だけで決めず、過ごすのはご本人だということを忘れずに
- 行かない・行かなくなったときは、しばらく家で一緒に過ごしてみる。手伝いすぎず、見放さない距離で
退院が近づくと、ケアマネジャーや病院から、デイサービスやデイケアの話が出てきます。そのときにご本人が「行かない」と言って、ご家族が困ってしまう場面に、病院で立ち会うことがあります。
親がデイサービスを嫌がるとき、よく聞く言葉
デイサービスやデイケアの話をしたときに、ご本人からよく聞くのは、次のような言葉です。
💬 「家に帰って過ごしたい」
💬 「そんなものはいらない」
💬 「運動は家でもできる」
背景に、「施設に入れられる」と受け止めている方もいます。家族に厄介払いされている、と感じてしまうのかもしれません。リハビリの時間に、落ち込んでいる様子の方もいます。若い世代の私の前では、あまり顔に出さないのかもしれません。
嫌がりやすいのは、どんな方?
私の印象では、嫌がりやすいのは男性、とくに頑固な方や、亭主関白な方です。
また、認知機能が落ちていると、男性か女性かに関係なく、嫌がることがある印象です。認知機能は、家に帰れるかどうかや、杖や歩行器を使えるかどうかにも関わる、とても大事なところです。認知機能と転倒の関係は高齢者が転倒を繰り返す3つの原因、杖を使いこなせるかとの関係は高齢者が杖を嫌がる理由でも書いています。
「リハビリ」と言われれば行く方は、実はとても多い
「施設」と聞くだけで行きたくない方でも、「リハビリ」と言われれば行く、という方は実はとても多いです。
とはいえ、デイサービスもデイケアも、施設であることに変わりはありません。ごまかすのではなく、誤解を生まないように、「リハビリをするための施設」と、目的から伝えることが多いです。伝え方はその時々で変わりますが、「入れられる施設」ではなく「リハビリをするための施設」だと伝わると、受け止め方が変わる方がいます。杖も、「練習として」なら使ってくれる方がいます。目的が見えると、受け入れやすくなるのかもしれません。
リハビリに力を入れているのは、デイケア(通所リハビリ)や、リハビリ特化型のデイサービスです。違いはデイケアとデイサービスの違いにまとめています。
「運動は家でもできる」と言われたら
退院前には、一人でも運動を続けられるように、自主練習をお伝えすることが多いです。ただ、一人で続けるのには限界があります。私たちですら、やろうと決めたことを守れないことがありますよね。高齢の方も、きっと同じです。
🩺 そんなとき、私はこう返すことがあります
- 「運動は家でもできますが、人に会うことで、ご家族も安心できますよ」
- 「少し専門の人に見てもらえると、安心じゃないですか」
- 「だんだん良くなっているのに、今までの生活に戻って少しずつ弱っていくのは、もったいないですよ」
家でできる運動のメニューは、高齢者の体操|座ってもできる転倒予防メニューにまとめています。
家族より、専門職の一言が届くこともある
家族から言われると反発するのに、医療や介護の専門職から言われると「返せない」という方がいます。杖の記事でも、リハビリの担当から伝えると「じゃあ使ってみようか」と受け入れてくれることがある、と書きました。
病院では、事前にご家族と打ち合わせをしたうえで、ご本人を交えて面談をすることがあります。私がするのは、その場でリハビリとしての意見をお伝えしたり、ご家族から頼まれたことをリハビリの立場からお話ししたりするくらいです。私から強く勧めることはしません。
⚠ ご本人への配慮を忘れずに
先に話を進められていたと知ると、ご本人は怒ったり、ショックを受けたりするかもしれません。病院でも、ご本人の気持ちに最大限配慮しながら進めています。決めたことを押しつける場ではなく、ご本人の話を聞く場にしたいところです。
誰に相談すればいい?
- 入院中……話しやすい誰かに。看護師さん、相談員さん、リハビリスタッフなど、誰でも構いません。私はリハビリスタッフとして積極的に相談に乗りますが、人によっては聞き流されてしまうこともあるかもしれません
- 退院後……ケアマネジャーです。ご本人と家族、施設をつなぐ中継役として、心強い存在です
見学・体験に行くときに
見学に行ったご家族からは、「よさそうだった」という話をよく聞きます。ただ、実際に過ごすのはご本人です。家族の目にはよく見えても、ご本人にとってどうかは別、ということもあります。
通いのリハビリで利用者さんを迎える立場としては、利用者さん同士が仲良く話しているのを見ると、うれしくなります。見学では、そんな様子があるかも見てみてください。
見るポイントは、老人ホーム向けに書いた見学チェックリストの「雰囲気」「リハビリの中身」がそのまま使えます。送迎・お風呂・回数など、通いのサービスならではの確認点はデイケアとデイサービスの違いにまとめています。
行かない・通わなくなったときは
どうしても行かないときや、通い始めたのに休みがちになったり、行かなくなったりしたときは、少しの間、家で一緒に過ごしてあげてほしいと思います。実家でも、あなたの家でも、一緒に住んでいても構いません。手伝いすぎず、見放さない。そんな、ほどよい距離感で。
一度家で過ごしてみて、一人では難しいことがご本人に伝わると、受け入れる方もいるようです。そのあいだ、付き合ってくださるご家族もいるようです。
通わない場合に、考えたい方法
- 訪問リハビリ……リハビリの専門職に、家に来てもらう方法です
- 訪問看護や訪問介護……体を動かす時間を、つくってもらうこともあるようです
- 別の施設を見学する……同じデイサービスでも、施設によって中身はさまざまです
どの方法も、ケアマネジャーに相談すると組み立ててもらえます。
よくある質問
Q. 無理にでも行かせたほうがいいですか?
Q. 嫌がる親には、デイケアとデイサービスのどちらがいいですか?
Q. 認知症の親が、朝の送迎の車に乗ってくれません
まとめ|「入れられる施設」ではなく「リハビリをするための施設」と伝える
- 嫌がる背景には「施設に入れられる」という受け止め方があることも
- 「リハビリなら行く」方は多い。ごまかさずに「リハビリをするための施設」と目的から伝える
- 一人での運動には限界がある。「人に会う」「専門の人に見てもらう」安心を伝える
- 家族より専門職の一言が届くことも。ご本人への配慮を忘れずに
- 入院中は話しやすい誰かに、退院後はケアマネジャーに相談
- 行かない・通わなくなったら、しばらく家で一緒に。手伝いすぎず、見放さない距離で
介護する側の休み方は介護の息抜きどうしてる?、入院中にご家族ができることは親の入院リハビリ、家族は何をすれば?にまとめています。


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