📅 2026年9月公開

ケアマネさんに「退院したら、デイケアとデイサービス、どうしますか?」と聞かれて…。正直、どっちがどうというより、そもそも全部わからないんです。

わからなくて当然です。名前が似ているだけで、「何のために通うか」で分けると、ぐっとわかりやすくなります。一緒に整理していきましょう。
退院の準備が始まると、ご家族は「デイケア」「デイサービス」「リハビリ特化型デイ」「訪問リハビリ」と、似た名前のサービスを一度に聞くことになります。退院前のご家族から、こうした相談を受けることがあります。
この記事の答え(先にまとめ)
- デイケアは、リハビリを続けて「もう一段の回復」を目指す場所
- デイサービスは、今の力を保ちながら、生活で難しいところ・家族が危ないと感じるところを手伝ってもらう場所
- どちらも、人とのつながりができることが大きな良さです。通えるなら、通うのがおすすめです
- どっちがいいかは施設ごとに中身が違うので、見学して、本人の気持ちを大切に決めてください
まず全体像|退院後に使える「通い」と「訪問」のサービス
最初に、よく出てくる4つのサービスを並べます。細かい制度より、「何のためのサービスか」だけ押さえれば十分です。
🏠 デイサービス(通所介護)
今の力を保つ。入浴・食事・交流・レクリエーション。家族のひと休みにも
🏥 デイケア(通所リハビリ)
医師やリハビリの専門職がいる。リハビリを続けて、もう一段の回復を目指す
🏃 リハビリ特化型デイサービス
制度の上ではデイサービスの一つ。運動や「生活をする練習」に力を入れている
🚪 訪問リハビリ
リハビリの専門職が家に来る。家から出るのが難しい方が中心
| デイサービス | デイケア | |
|---|---|---|
| 主なスタッフ | 介護職員・看護職員など | 医師・理学療法士などのリハビリ専門職 |
| こんな方に | お風呂や日中の見守りを頼みたい、人と話す機会を増やしたい | まだ良くなる力がある、運動や生活動作を専門職に見てほしい |
| 使い方 | どちらも介護保険のサービス。ケアマネジャー(要支援の方は地域包括支援センター)と相談して、計画に入れて使います | |
介護保険の申請がまだの方は、先に介護保険の申請から認定までの流れをどうぞ。
デイケアとデイサービスの違い|「何のために通うか」で分ける
病棟でご家族に説明するとき、私はこんなイメージでお伝えしています。
デイケアは「リハビリを続けて、もう一段の回復」
入院中のリハビリで良くなってきた力を、退院後もリハビリを続けることでさらに伸ばしていく場所です。「今後も運動や生活の動きを、専門職に見てほしい」という方に向いています。
デイサービスは「今の力を保ちつつ、生活を手伝ってもらう」
今の状態を保ちながら、普段の生活で難しいところや、家族が「危ない」と感じるところを手伝ってもらうイメージです。お風呂、食事、日中の見守りなど。ご家族がひと休みできる時間にもなります。
頼ることは、手を抜くことではありません。ご家族が倒れないことも、同じくらい大切です。
そして、どちらにも共通する良さは人とのつながりができることです。退院後、家から出ずに過ごすより、どちらかに通えるなら、何もしないより良いと私は思っています。
リハビリ特化型デイサービスとは|「生活をする練習」の場所
名前に「リハビリ」と入っていますが、制度の上ではデイサービス(通所介護)の一つです。運動や機能訓練に力を入れている事業所を、こう呼んでいます。
私はご家族に、「生活をする練習をするところ」とお伝えしています。

病院から急に家に帰ると、思ってもみなかったところで困ることが多いんです。そのとき、ご家族とご本人だけで対処できるでしょうか。慣れていない場所でも、しっかり動ける練習をしに行く、と思ってください。
「どっちがいい?」への私の答え|決め手は施設の中身とご本人の希望
「デイケアとデイサービス、どっちがいいですか?」と聞かれることがあります。正直にお伝えすると、リハビリの立場から「こっちがいい」と答えることはありません。理由は3つあります。
① 施設によって、中身が違う
同じ「デイサービス」でも、リハビリに力を入れている所、お風呂が充実している所、少人数でゆったりの所などさまざまです。名前より、中身をしっかり調べることが大切です。
② 決めるのは、ご本人とご家族の希望
何に困っていて、何を頼みたいか。答えはご家庭ごとに違います。
③ どこに決まっても、リハビリはそこに合わせて練習する
退院先が決まれば、入院中のリハビリはそこで困らないように指導や練習をしていきます。一人で動く場面が多い所なら安全に一人で動けることを、職員の付き添いが前提の所なら、無理に杖や歩行器を勧めることはしません。
病院のリハビリとは違います|「思っていたより少ない」と感じやすい
ここは、ご家族もご本人も、期待とのずれが起きやすいところです。
| 入院中のリハビリ | 通いのリハビリ | |
|---|---|---|
| ねらい | どんどん機能を上げていく | 安全第一で、できることをもう一押し |
| 量と回数 | 毎日のように、まとまった時間 | 通う日だけ。少なく感じる方が多い |
⚠ 「入院中のように、たくさんリハビリできる」と思っていると、がっかりしやすい
ご家族もご本人も、退院後も入院中と同じくらいリハビリができると思っていることが多い印象です。だからこそ私は、「家でする自主練習がとても大切です」とお伝えしています。家でできる運動は座ってもできる転倒予防の体操にまとめています。
選ぶときに確認したいこと|送迎・お風呂・回数
退院後のご家族から聞く声をもとに、見学や相談のときに確認しておきたいことをまとめました。
✅ 送迎はあるか
送り迎えがあると、ご家族はとても助かります。ご家族が車で送れるなら、送迎なしで通う方もいます。
✅ お風呂に入れるか
「家のお風呂が怖い」という声は本当によく聞きます。入浴を頼めるかどうかは、大事な確認ポイントです(家のお風呂を整えるなら浴槽のまたぎが不安なとき)。
✅ 週に何回通うか
回数は、ご本人とよく相談して決めてください。回数が増えると、ご家族の手間が減って、心に余裕ができることもあります。それでも、通うのはご本人です。本人の気持ちを大切にして決めてほしいと思っています。
✅ 見学・体験ができるか
中身は施設ごとに違うので、できれば一度見学を。見学で見るところの考え方は施設見学のチェックリストも参考になります。
通うのを嫌がるときは|「もったいない」と「いつからでも」
「年寄りの集まりには行きたくない」と、通いのサービスを嫌がる方もいます。リハビリの私から、無理に強く勧めることはしません。ただ、よくこんなふうにお伝えしています。
「だんだん良くなってきているのに、今までの生活に戻って、少しずつ悪くなっていくのはもったいないですよ」
「今からでも、いつからでも、予防が大事ですよ」
デイサービスの中には、レクリエーションより運動が中心の所もあります。一度見学して、雰囲気を見てもらうのも一つです。「嫌がる親」への声のかけ方は、杖を嫌がる親への向き合い方でも書いています。
訪問リハビリとの使い分け|外に出られるなら「通う」のがおすすめ
訪問リハビリは、リハビリの専門職が家に来てくれるサービスです。便利に見えますが、使い方には特徴があります。
- 医師の指示書が必要です
- 家から出るのが難しい方が中心で、通いで同じことができるなら、通いが優先という考え方になっています
私の実感としても、訪問リハビリを使う方は、家から動くのが難しい方が多い印象です。だから、外に出られるのであれば、通うことを本当におすすめしています。
📚 生活の範囲が狭くなることについての研究
- 高齢者の活動する力の低下は、日頃の行動範囲(生活空間)が狭くなることに続いて起こるとされています(日本公衆衛生雑誌)
- 外出が週1回程度以下の「閉じこもり」は、自立して暮らす85歳未満の方でも、要介護に移るリスクになると報告されています(日本老年医学会雑誌)
生活の範囲が小さくなることは、体だけでなく、生活の満足感や人とのつながり、心にも影響すると感じています。
ご家族の声|「専門家に任せられてよかった」
退院後のことを詳しく聞ける機会は多くないのですが、通いのサービスを決めたご家族からは、こんな声を聞きます。
💬 「自分たちだけで見ていたら、共倒れしそうでした。専門家に任せられてよかったです」
💬 「何かしてあげたいけれど、自分で直接手伝うのは怖くて。入院中に決められてよかったです」
介護する側の休み方は介護の息抜きどうしてる?にまとめています。
よくある質問
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
Q. 要支援でも使えますか?
Q. デイケアとデイサービス、両方使うことはできますか?
Q. 仕事が休めず、平日の相談や見学に行けません
まとめ|名前ではなく「何のために通うか」で選ぶ
- デイケア=リハビリを続けて、もう一段の回復
- デイサービス=今の力を保ちつつ、生活で難しいところを手伝ってもらう
- リハビリ特化型デイ=「生活をする練習」の場所
- 通いのリハビリは「安全第一で、もう一押し」。家での自主練習が大切
- 選ぶときは、送迎・お風呂・回数・見学。回数は本人の気持ちを大切に
- 外に出られるなら、通うのがおすすめ。人とのつながりが、体と心を支えます
入院中のご家族ができることは親の入院リハビリ、家族は何をすれば?、退院前の家の準備は退院前に家を整えるにまとめています。


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